活動資訊
現代日本視覚芸術におけるジェンダー、芸術検閲、グローバルな知識流通の探求



タイトル:現代日本視覚芸術におけるジェンダー、芸術検閲、グローバルな知識流通の探求
講演者:フェイ・ユアン・クリーマン(コロラド大学ボルダー校アジア言語文明学科教授)
司会:范淑文(国立台湾大学日本語学科教授)
日時:2020年11月2日(月)10:20~12:20
会場:国立台湾大学文学部講演ホール(文学部1階)

(この講義は対面実施であり、オンラインストリーミングは行いません。YouTubeチャンネルとNTU Lecture Websiteに約1ヶ月後に動画をアップロードし、Facebookで動画アップロードのお知らせをします!)

主催:国立台湾大学人文社会研究院
共催:国立台湾大学日本語学科

講演者:
阮斐娜フェイ・ユアン・クリーマン博士、東呉大学日本語学科卒業、日本お茶の水女子大学日本文学修士号を取得、アメリカカリフォルニア大学バークレー校で東アジア文学・文化の博士号を取得。現在、コロラド大学アジア言語文明学部教授。研究分野は、近現代の日本文学・文化、ビジュアル・アート、東アジア植民地文学、異国文化交流。主な著書に、『Under an Imperial Japanese Colonial Literature and the South』、『In Transit: Formation of an East Asian Cultural Sphere(英語)』、『大日本帝国のクレオール』(日本語)、『帝國太陽下(中国語)』、『帝国の太陽の下で』(中国語)、その他多数の学術誌論文などがある。フルブライト奨学金、日本国際交流基金、文部科学省、米国国立人文科学財団(NEH)、ドイツ高等研究計画(Higher Research Initiative)、外務省台湾研究員(2020年)、東京大学、中央大学、首都大学、台湾国立政治大学、中国東南アジア大学、ドイツエアランゲン・ニュルンベルク大学、中央研究院などで訪問教授をされている。

概要:
2019年のトリエンナーレ美術展【表現の不自由展】は、名古屋での開幕から1週間で閉幕を余儀なくされた。展覧会に出品されたいくつかの作品は、政治的な解釈やジェンダー的な解釈によって、一部の一般市民から抗議を受けた。皮肉な展覧会タイトルが示すように、展覧会そのものが、従来の主流美術界から疎外されてきた作家や作品にオルタナティブな表現手段を見出そうとする試みであり、展覧会の閉幕は、日本の美術界、学界、マスメディアに、日本の現代美術におけるコンセンサスと排他性の現状を反省させるきっかけとなった。
本講演では、過去10年ほどの間に行われたいくつかのビジュアル・アート論争を通して、アニメーションやコミックなどの大衆文化が日本のビジュアル・アートに与えた激動と影響を探る。世界的に有名なスーパーフラット画家である村上隆と奈良美智の作品、そして日本では有名でありながら大きな論争を巻き起こした画家である会田真幸の作品を用いて、日本社会における合意形成と自己批判のメカニズムを通して、ジェンダー、消費、美学の形成について探求する。同時に、これらの映像作品が国内外に流通する際の知識格差や受容の過程における得失についても考察する。
最後修改時間: 2020-11-02 08:40:27